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それからただ静かな時が流れた。
たまに部屋の前を彷徨く影があった。多分桂が気になって様子を覗いに来たんだろうなと思った。でも入江を起こしたくないから無視した。
眠ってから全く動かなかった入江が少し身じろいで睫毛が震えた。
「起きました?」
「んー……本当にずっと居てくれたんですか……。」 【BOTOX 美容】 收鼻翼、去除眉心紋療程資訊 - Cutis
入江はまだボーッとする頭でどのくらい寝たのだろうと考えた。
「入江さんホンマは心も体もだいぶお疲れやったんですね。気付かなくてすみません。」
「え?何で三津さんが謝るんです?気付かないも何も私は何も言ってませんからね。分からなくて当然だし,寧ろ三津さんは仕事の邪魔された事とずっとこの体勢させられてたのを怒ってもいいんですよ?」
入江は起き上がって三津の正面で胡座をかいた。ようやく解放された三津は痺れた足を崩して苦笑した。
「怒りませんよ。みんなを癒せるのは私やって言ったやないですか。
言葉にせんくても入江さんにはそれが必要で,みんなもそれを分かったから今こうなってるんでしょ?
必要としてもらえたのに怒る理由がどこにあります?」
「三津さん鈍いようでそう言う所は敏感ですよね。」
「えっ馬鹿にしてます?」
「半分。でも半分はビックリしてます。」
半分でも馬鹿にされてると言われた三津は不服そうな顔をしたが入江は愛おしそうに見つめ返す。
「三津さんこそ疲れませんか?そうやって人の事にばかり敏感で自分後回しにして。」
「誰かの為に何かして疲れると思った事はないと思いますねぇ。その人が元気に笑ってくれるなら私は嬉しいんで。」
「出た!天然の人たらし!」
「それはただの悪口ですね。許しません。」
怒った顔をしてみせたが,入江の顔がさっきよりも穏やかに見えたのと言葉の端々にいつもの雰囲気が感じられた事に安堵した。「お茶でも淹れてきますね。」
足の痺れも治まってきたところで三津は一旦部屋を出た。お茶を淹れに行くフリをして久坂の元へ向かった。
「久坂さん,ちょっといいですか?」
入江の部屋が近いから小声で中に呼びかけた。久坂は静かに障子を開いて三津を中に入れた。
「やっと解放されましたか。すみませんね子守押し付けて。」
「お茶淹れるって少しだけ抜け出しました。あの,入江さんが少し変な理由,ご存知ですよね?」
久坂は神妙な面持ちで頷いた。
「はい,前にもあぁなった事が。以前は松陰先生が亡くなった時に。」
それだけで充分納得出来た。普段通りに取り繕っていても,大事な人を失った事実は心をズタズタに切り刻む。内側はボロボロなんだ。
「その時は一人で塞ぎ込んでしまってようやく出て来たと思えば,何かから逃げるように縋る場所と言うか拠り所を探してるようで……。時間が経てば元に戻るんですが。
九一にとってあまり掘り起こされたくない部分もあると思うんで多くは話せませんが,そのうち本人から話してくれるとは思います。」
人の心とは本当に難しい。
分かって欲しいと願いながらも踏み込んで欲しくない部分を併せ持っていて,その線引きは本人にしか分からなくて言葉にしなきゃ伝わらないのに,言わなくても分かって欲しいとも思っている。
入江が三津に何をどこまで望んでいるかは分からない。それでも一緒に居てほしいと言われたからにはそれを叶えるのが一番いいんだろう。
「分かりました。じゃあ戻りますね!一人にしてると心配なんで。」
三津は話してくれてありがとうございますと礼をして部屋を出た。
それから急いでお茶を用意して入江の部屋に戻った。
「帰って来た。何処か行っちゃうかと思ったのに。」
「何処かって何処ですか?今日の私の居場所はここですもん。」
どうぞと湯呑みを差し出すと入江は嬉しそうに笑って口をつけた。でもすぐに湯呑みを置いて三津の手を取って両手で握った。
「三津さん温かい。」
「武士って面倒臭いですよね。」
「えっ急な悪口……。」
何の脈絡もない悪口に入江はぽかんとしてしまった。
「違った。武士の誇りってヤツですか?面倒臭くないですか?
壬生でも土方さんとの喧嘩のもとになったんですけどね何で切腹が正しい道なんでしょう?武士としての生き様とか死に様とか,私からしたら何ほざいてるん?ふざけんななんですよ。」